加賀ゆびぬき sucrier Hitomi Emori

加賀ゆびぬき公募展 展示作品

加賀ゆびぬきのお教室、展示会についてお知らせしています。

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加賀ゆびぬき公募展 展示作品

会期ももうすぐ半分…ということで、これから見に行かれる方もいらっしゃると思うので、書ききれなかった展示への想いを。(書いたら長文でした)

 

タイトルは「千紫万紅」

『色色あって、みんないい』という想いで作りました(辞書に載っている、彩り豊か、という意味から拡大解釈)

 

遠くから見るとわかりづらいのですが、使った糸は絹糸だけでなく、綿糸、毛糸もあります。

拡大すると艶の出方が違うものが少しわかるかもしれません。

 

もともと加賀ゆびぬきは余った布、糸を加賀友禅のお針子さん(和裁士さん)がご自身のお仕事道具として作られたもの。出展要項も「糸」の指定のみ、ならばいろんな糸にフォーカスしてみたい!となりました。

私が今までいろんな方と出会って作っていただいた糸、購入した糸で作ることで気付けば過去を振り返るよい機会でもありました。

 

背景は少し蚕の繭もイメージし、まるで自分が繭を作っているような気持ちにもなりました。

額は実は絵画などを飾る時の台紙です。表面も美しく、固さもほどほど、なにより軽くて。

あと、額をかける紐は、クテ打ち組紐。7本取りで矢羽を組んでます。わかりづらいのですが実は太さが前と後ろで違ってます。組んでる途中に組み方変えて倍くらいの太さにしていますよ。

 

糸の違いを見ていただくためにあえて、段染め糸は矢鱈縞、1色の糸は青海波とわかりやすい柄が多めです。

製作においては、糸のすべり方が全て違うので、慣れた柄でも意外と大変でした。織の糸の中には引く時に切れてしまったり(織は細い穴に糸全部通すことはありませんしね)

そして、いつもの絹糸に戻ってきた時の安心感…

その一方で、ヨリが少ない糸の完成した時の手縫い糸以上の光沢。いろんな感動と発見がありました。ぜひご覧ください。